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自筆証書遺言の正しい書き方――無効にしないための5つのポイントと法務局保管制度

自筆証書遺言は、紙とペンと印鑑があれば自宅で作成できる、もっとも手軽な遺言書です。しかし、法律で決められたルールを守らないと、せっかく書いた遺言書が無効になってしまうことがあります。今回は、自筆証書遺言を確実に残すためのポイントと、おすすめの「法務局保管制度」をご紹介します。

無効にしないための5つのポイント

1. 全文を自分の手で書く

自筆証書遺言は、原則として全文を遺言者自身が手書きしなければなりません。パソコンで作成したものや、ご家族に代筆してもらったものは無効です。ただし、2019年の法改正により、財産目録の部分に限ってはパソコンでの作成や通帳のコピー添付が認められるようになりました(その場合、目録の各ページに署名押印が必要です)。

2. 日付を正確に書く

「令和8年6月12日」のように、年月日が特定できるように書きます。「令和8年6月吉日」といった書き方は日付が特定できないため無効です。

3. 氏名を書き、押印する

戸籍どおりの氏名を自書し、押印します。認印でも有効ですが、実印を使うとより確実です。

4. 訂正は法律のルールに従って

書き間違えたときの訂正方法は、法律で厳格に定められています。訂正箇所を示して変更した旨を付記し、署名のうえ訂正箇所に押印する必要があります。ルールに合わない訂正は効力が認められないため、間違えた場合は最初から書き直すのが安心です。

5. 財産と相続させる人を特定できるように書く

「不動産は長男に」だけでは、どの不動産か特定できず、手続きで困ることがあります。不動産は登記事項証明書のとおりに、預貯金は金融機関名・支店名・口座番号まで記載しましょう。

書いた後が大事――保管の問題

自筆証書遺言には、書いた後にも落とし穴があります。自宅に保管しておくと、紛失してしまったり、亡くなった後に誰にも発見されなかったり、相続人の誰かに破棄・改ざんされてしまったりするリスクがあるのです。また、自宅保管の自筆証書遺言は、相続開始後に家庭裁判所で「検認」という手続きを受ける必要があり、ご遺族の負担になります。

法務局の「自筆証書遺言書保管制度」がおすすめ

こうした問題を解決するのが、2020年7月に始まった自筆証書遺言書保管制度です。作成した遺言書を法務局(遺言書保管所)に預けることができ、次のようなメリットがあります。

まず、原本が法務局で保管されるため、紛失・改ざんの心配がありません。また、預ける際に形式面(日付や署名押印の有無など)のチェックを受けられるので、形式不備による無効を防ぎやすくなります。さらに、家庭裁判所の検認が不要になり、亡くなった際に指定した方へ遺言書が保管されていることを通知してもらえる仕組みもあります。手数料は1通3,900円と利用しやすい金額です。

ただし、法務局は遺言の「内容」が適切かどうかまでは確認してくれません。内容面の不安を解消するには、専門家のチェックを受けることをおすすめします。

よくあるご質問

Q.ビデオや録音で遺言を残せますか?
A.残せません。ビデオメッセージや録音は法律上の遺言としての効力がなく、パソコンで全文を作成したものも同様です(財産目録を除く)。想いを伝える手段としては素敵ですが、必ず法律のルールに沿った遺言書もあわせて作成しましょう。

Q.夫婦で1通の遺言書を作ってもいいですか?
A.いけません。2人以上の方が同じ遺言書で遺言をすること(共同遺言)は法律で禁止されており、無効になります。ご夫婦それぞれが別々の用紙で作成してください。

Q.一度書いた遺言書は変更できますか?
A.できます。遺言書は何度でも書き直すことができ、内容が重なる部分は日付の新しい遺言が優先されます。法務局に預けた遺言書も、撤回して新しいものを預け直すことが可能です。財産状況やご家族の状況が変わったときは、見直しをおすすめします。

Q.封筒に入れて封をしたほうがいいですか?
A.自宅保管の場合、封は必須ではありませんが、改ざん防止のため封入・封印しておくのが一般的です。ただし、封印された遺言書は家庭裁判所で相続人立会いのもと開封する必要があり、勝手に開けると過料の対象になることがあります。なお、法務局の保管制度を利用する場合は、封をしない状態で持参します。

まずはお気軽にご相談ください

当事務所では、自筆証書遺言の文案チェックや財産目録の作成サポート、法務局保管制度の利用手続きのご案内まで、トータルでお手伝いしています。「自分の書いた遺言書がこれで大丈夫か見てほしい」というご相談も歓迎です。大切な想いを確実に残すために、ぜひ一度ご相談ください。

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